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日本口腔インプラント学会が2020年6月10日に発行している「口腔インプラント治療指針2020」によると、歯周病はインプラント禁忌症の一つとされています(※1)。
歯周病患者が治療を受けても、残った歯の骨量の低下により歯を支える能力が不足しているため、インプラント治療に対応できないことがあるようです。歯周病が原因で歯が抜けてしまっている場合は、残っている歯が抜けている歯を補強する装置を維持する歯としての機能を果たせないことが多いといわれています。インプラントはあごの骨に人工歯根を埋め込む手術。機能を果たせていなければ、インプラント治療は難しくなります。
特定非営利活動法人日本歯周病学会が発行している「歯周病患者における口腔インプラント治療方針およびエビデンス2018」でも、歯周病患者へのインプラント治療の利点とリスク(感染)について言及されています。歯周病患者は適切な歯周治療がなされていても、骨量の低下によって歯の支持負担能力が不足している場合、機能圧に対応できない場合があるためです。また、歯周病患者がインプラント手術を受けた後、隣在歯の歯周ポケットからインプラント周囲溝への細菌感染が短期間で起こることも知られています(※2)。
歯周病患者がインプラント手術を受けるには、歯周病治療を受けて口腔環境を改善する必要があります。一般的な治療の時期や流れについてご説明します。
まずは、歯周組織検査を行います。歯周組織検査の内容は、プラーク(歯垢)の付着状態、歯茎から出血していないかどうか、歯周ポケットの深さ、歯のぐらつき具合など。検査後、治療計画を立てます。残っている歯の状態で上顎と下顎のかみ合わせが安定している場合を例にとって流れを見ていきましょう。
歯周病の基本的な治療を行い、回復をしていれば、インプラント治療がスタート。回復していなければ、歯茎を切開し、歯周ポケットの奥深くに残っているプラークや歯石などを確認して取り除いてから、インプラント治療を開始します。
歯周病治療は長くかかることが多く、回復または病状が安定しても、メンテナンスや歯周組織を維持するために定期的にかみ合わせのチェックやクリーニングを行なわなければなりません。
明海大学歯学部航空生物再生医工学講座歯周病学分野で行われた、歯周病患者に対する骨接合型インプラントの治療成績に関する臨床的研究の内容を一部紹介します。
被験者は、明海大学歯学部付属明海大学病院歯周病科に来院した慢性歯周病患者のうち、歯周基本治療および歯周外科処置を終え、1999年12月から2005年12月までの間にインプラント治療を終了し、メンテナンス移行中の105名の中から連続抽出。そこから、本研究に理解の得られた方々を対象として試験・調査を実施しました。
調査の結果、調査対象となったインプラント(計338本)すべてにおける5年生存率は98.7%を記録。また、メンテナンスに移行しインプラント埋入処置を実施した患者の歯周組織検査では、平均PPD2.11±0.35mmで改善量は0.43±0.65mmとなり、歯周組織の改善傾向が見られました。
歯周病による歯の喪失は、多くの場合、顎堤の欠損を引き起こし、最終的には咀嚼機能を低下させます。残存歯の歯周組織が破壊されていることから、固定性ブリッジの支台歯や可徹性義歯の鉤歯にした場合、残存歯に対する咬合負担が過剰になり、永続性が低下することも少なくありません。そのため、重度の歯周炎患者に対する包括的治療法として、歯周組織再生療法を用いて、可及的に歯周組織を再生するとともに、咬合機能の回復に加えて、残存歯の保護を目的として骨接合型インプラントが選択されるケースがあります。
歯科医であれば誰でもインプラント治療が行うことができますが、前述したように虫歯治療と違ってインプラントは、大切な神経や血管が通る骨を削って、そこへインプラントを埋入していくため、専門的な知識や技術のある医師に診てもらいたいものです。ここではインプラントの主要学会で日々研鑽し知識を身につけ、技術やスキルがあるとして認定された指導医をご紹介します。
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