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磁石を取り付けたインプラントにより入れ歯を固定する方法について紹介しています。磁石でしっかりと入れ歯を固定することができるため、通常の入れ歯よりも噛む力が強いなどのメリットが得られる方法です。
「磁石を使ったインプラント」とは、インプラントに磁石を取り付けることによって入れ歯を固定する治療方法です。磁石でしっかりと固定されることから、安定感に優れており、入れ歯がずれにくいという特徴を持っています。こちらの方法は、インプラントオーバーデンチャーのひとつであり、「磁石アタッチメントデンチャー」や「磁性アタッチメント」「マグネット式インプラント」などとも呼ばれています。
また、失ったすべての歯をインプラントによりカバーする方法よりもインプラントを埋入する本数も少なく済みますので、インプラント手術に伴う患者への負担も軽減できる方法です。
どのように治療を進めていくかを決めるために、カウンセリングやCT撮影、術前診査を行います。検査の結果を元に治療計画が立てられます。不明な点があればこの段階でしっかりと確認しておくと良いでしょう。
磁石を使用したインプラントによる入れ歯の装着を行う場合には、まずはじめに手術を行い、インプラントを顎の骨に埋入します。磁石を使ったインプラントで入れ歯を固定する場合には、通常のインプラントよりも埋入本数が少なく済みます。個人差はありますが、おおよそ2〜4本の埋入を行います。
インプラント埋入後、顎の骨とインプラントが結合するための期間を置きます。結合したことが確認できたら、インプラントに磁性金属(磁性体)の取り付けを行います。この磁性金属は、磁石がくっつきやすい金属のことを指します。
装着するための入れ歯にも磁石を取り付けます。この時に使用する磁石は超小型のものを利用します。
入れ歯を装着することにより、インプラントと入れ歯の磁石が強くくっつき、非常に安定感のある入れ歯を実現できます。また、入れ歯は磁石で固定するためバネが不要なので、見た目にも優れています。
磁石を使ったインプラントで入れ歯を固定する場合には、埋め込むインプラントの本数が少なく済むという点が大きなメリットです。顎の状態により埋め込む本数は異なりますが、通常のインプラントで失った歯全てをカバーするよりもかなり少ない本数となりますので、手術が比較的簡単に終わる、また費用が抑えられるといった面があります。
通常のインプラントとは異なり、上部構造を入れるための治療が不要となるため治療期間がかなり短縮できる点がメリットです。
インプラントの埋入本数が少なく手術が簡単に済むため、患者の身体的・精神的な負担の軽減が期待できます。さらに、費用面での負担も抑えられる点も大きなメリットでしょう。
歯茎で支える入れ歯よりも、磁石で固定するインプラントで支えることから支持性が上がるため、噛む力が強いという点もメリットです。
磁石で入れ歯を固定するため、入れ歯の大きさを小さくできます。入れ歯が小さくなることで違和感も少なくなります。
これは磁石を使ったインプラントだけでなく、すべてのインプラント治療に共通しますが、口腔内の状況や身体的な状況によってはインプラントを埋入できない場合があります。
磁石を用いた入れ歯は安定感が高く噛む力をある程度取り戻すことができますが、通常のインプラントほどの力は出ません。
広範囲に歯茎が痩せてきた影響で磁石の作用のみでは入れ歯を安定させることが難しくなった場合、通常の入れ歯のように入れ歯内面を盛り足して歯茎に合わせるという方法が難しい場合があります。
ここでは、2003年6月発行の「日本口腔インプラント学会 第16巻 2号」に掲載された症例(磁性バーアタッチメントを用いたインプラント オーバーデンチャー症例)をご紹介します。患者は52歳女性で、下顎の入れ歯を利用していたものの、高度な骨吸収がみられたことで維持・安定が期待できないためにインプラントを行うことになりました。
具体的な治療方法としては、患者の負担やリスクを考慮した上で下あごにインプラントを4本埋入した上で、磁性バーアタッチメントを用いたオーバーデンチャー(取り外し可能な入れ歯をインプラントで固定する方法)としています。この治療によって咀嚼機能評価は35点から65点に大きく向上する結果となっています。
磁石を取り付けたインプラントにより入れ歯を固定させる治療方法について紹介してきました。こちらの方法は、入れ歯の安定感が向上するなど様々なメリットが得られる方法となっています。治療を検討する場合にはデメリットまで知った上でクリニックに相談し、自分に合っているかどうかを確認してみましょう。
歯科医であれば誰でもインプラント治療が行うことができますが、前述したように虫歯治療と違ってインプラントは、大切な神経や血管が通る骨を削って、そこへインプラントを埋入していくため、専門的な知識や技術のある医師に診てもらいたいものです。ここではインプラントの主要学会で日々研鑽し知識を身につけ、技術やスキルがあるとして認定された指導医をご紹介します。
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