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審美性を求めてインプラント治療を選択する方は多いはず。しかし、インプラント治療後に、インプラント周囲の歯茎が黒ずむことがあります。ここでは、歯茎の黒ずみの原因や予防法を紹介します。
「インプラント治療をした部分の歯茎が黒く見える...」いう場合、インプラント周囲炎などによって歯茎が下がっているかもしれません。歯茎自体が黒ずんでいるのではなく、インプラントの金属が見えてしまっている可能性があります。
インプラントは、上部構造である人工歯・連結部であるアバットメント・人工歯根であるインプラント体で構成されています。このうちアバットメントとインプラント体は歯茎の中に埋入されているため、外から見えることはありません。しかし歯茎が痩せてしまうと、アバットメントやインプラント体の金属が透けて見えてしまうことがあるのです。
また、歯茎が下がった場合にも、歯茎が黒く見えることがあります。本来見えないはずのアバットメントやインプラント体が、歯茎が下がることによって露出してしまいます。
歯茎が痩せる・下がるといった原因として、インプラント周囲炎が挙げられます。通常、インプラントは天然歯根のような歯周病は発症しません。しかし歯肉とインプラント体の間に細菌が侵入すると、歯周病に似たインプラント周囲炎を引き起こします。
インプラント周囲炎を発症した場合、まず歯肉の出血や腫れがみられます。ポケットが深くなったり、歯肉から膿がでることもあるでしょう。
さらにインプラント周囲炎が進行すると、歯茎が痩せて下がります。インプラントの金属部分が透けて見えてしまうだけではなく、インプラント体がぐらぐらし、ついには抜け落ちることも。
インプラント周囲炎の初期は自覚症状がないことが多いため、歯科クリニックでの定期的なメンテナンスが必須。もちろん毎日の口腔ケアも欠かせません。
インプラント治療とは関係なく歯茎が黒ずむことがあります。たとえば喫煙や金属イオンの沈着によって歯茎が黒く見えることもあるため、注意が必要です。
喫煙習慣がある場合、歯茎が黒くなりやすいといわれています。タバコにはニコチンやタールが含まれており、喫煙する人の歯茎表面にはメラニン色素がつくられます。そしてメラニン色素が歯茎に沈着することで、歯茎が黒くなるのです。
また、タバコに含まれる一酸化炭素とニコチンは、歯茎の毛細血管を収縮させてしまいます。歯茎の血流が悪くなることも、黒ずみの原因です。
このように、喫煙によって歯茎のメラニン色素沈着や血行不良が起こることで、歯茎が黒く見えてしまいます。また、歯茎の血行不良はインプラント手術後の経過に悪影響を与えることも。顎骨とインプラント体の結合が遅れてしまうといわれています。
「メタルタトゥー」という、金属イオンの沈着によって歯茎が黒くなるトラブルもあります。たとえば銀などの被せものをした歯がある場合、唾液によって銀から金属イオンが溶け出し、歯茎に沈着。歯茎全体が黒ずんで見えてしまうことがあります。
保険診療の虫歯治療で銀歯や銀のかぶせものにしている方は多いかもしれませんが、メタルタトゥーのリスクがあることを理解しておきましょう。
なお、インプラントに使用される金属はチタンなどです。チタンは耐久性に優れており腐食しにくいため、インプラント治療によってメタルタトゥーが生じる可能性は低いでしょう。
もしもメタルタトゥーによる歯茎の黒ずみが気になる場合は、銀のかぶせもの等を除去したうえでレーザー治療などを行います。
インプラント治療後の歯茎の黒ずみを予防するためには、セルフケアが重要。歯磨きなどのセルフケアを徹底し、インプラント周囲炎などのリスクを抑えなければなりません。また、歯科クリニックを定期的に受診しメンテナンスを受けましょう。
インプラント周囲炎の予防では、歯茎とインプラント体の隙間に細菌を入れないようにすることが大切です。隅々まで丁寧にブラッシングを行い、汚れを蓄積させないようにしましょう。
インプラント周囲炎になると歯茎が黒ずんで見えるだけではなく、進行によってインプラント体が抜け落ちるリスクがあります。とくに「インプラント治療後に歯茎が黒ずんできた気がする...」という場合は要注意。インプラント周囲炎を発症している可能性が高いため、歯科クリニックを受診しましょう。
また、喫煙や貧血もインプラント周囲炎を引き起こします。できるだけ禁煙し、体全体の健康にも気を配ることがインプラント周囲炎の予防へつながります。
歯科医であれば誰でもインプラント治療が行うことができますが、前述したように虫歯治療と違ってインプラントは、大切な神経や血管が通る骨を削って、そこへインプラントを埋入していくため、専門的な知識や技術のある医師に診てもらいたいものです。ここではインプラントの主要学会で日々研鑽し知識を身につけ、技術やスキルがあるとして認定された指導医をご紹介します。
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