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インプラントと天然歯の違いについて

インプラントも義歯の一つですので、天然歯に比べると劣る部分が存在します。ここでは、第二の永久歯と言われるインプラントと、自然に生えてくる天然歯の違いを解説しています。

インプラントと天然歯の違い

歯根膜の有無

歯根膜とは、歯根と骨を繋いでいる線維性結合組織のことで、歯周靭帯ともいいます。歯根膜の厚さは0.15~0.38ミリ程度ですが、この歯根膜があるおかげで歯が簡単に抜けることがありません。また、歯根膜には知覚神経が備わっていて、無理な力が加わった時には本能的に回避する能力が発揮されますが、この機能が嚙み合わせの力を逃がすクッションの役目をしているとされています。固いものは強く、柔らかいものは弱く、無意識に噛めるようになっているのも歯根膜のおかげ。ただ、インプラントの場合は、このような能力は発揮されませんし、人間以外の動物には歯根膜は存在しません。歯周病が進行すると歯の周囲の骨が破壊されるだけでなく、歯根膜も喪失してしまい、歯がグラグラして来ます。また、総入れ歯の場合は、歯根膜が働かないために歯触りを感じることができず、その結果、食べ物の微妙な感覚が判らなくなってしまうのです。

歯肉線維の方向

顕微鏡で歯肉を組織学的にみると、外側の部分を覆う上皮、中側にある結合組織、歯や骨とつながっている歯肉線維の三つに分けられます。天然歯と歯肉は歯肉線維でくっついていて、天然歯の場合は歯肉の中の結合組織がセメント質と呼ばれる歯根の部分に入り込んでくっついていて、歯肉線維が垂直に走っています。しかしインプラントは、この歯肉線維がインプラント体に対して水平に走っていて、あくまでインプラントの入口部分で密着しているだけなのです。そのため歯肉が剥がれやすく、一度炎症を起こしてしまうと進行しやすいという特徴があります。そのため、インプラントはしっかりとしたメンテナンスを定期的に行う必要があると言えます。

血液供給

インプラントは天然歯に比べ血液供給が少ないとされています。天然歯の場合は、骨、歯肉、歯根膜と3つの方向からの血液供給がありますが、インプラントには歯根膜がないため、血液供給に乏しいのです。歯周ポケットの内部には細菌と戦う血液成分の一つである好中球が存在し、ポケット内部に細菌が進入してもそれを排除しようとする働きがありますが、血液供給が少ないということは、その好中球の出現も乏しくなりますので、インプラントは天然歯に比べて、感染防御力が弱いといえます。

インプラントの弱点

インプラントも義歯の一つですので、天然歯に比べると劣る部分が存在します。そのため、インプラント治療を行った場合は、治療後のメンテナンスを欠かすことなく続ける必要があります。高額な費用のインプラントを長持ちさせるためにも、定期的なメンテナンスをしっかりと行いましょう。

インプラントと天然歯の感覚の違い

インプラントでの圧覚を感知できるようになるのは、埋入後1~2カ月程度の人が多いとされています。しかし、感知できるようになっても、インプラントと天然歯では、噛むときの感覚にわずかな違いがあるとされています。例えば、表面が圧迫を受けたときに起こる圧覚や、噛んだ時に感じる咬合接触覚など。

一方で、天然歯とインプラントでのものを噛むときに起こる感覚には「ほとんど差がない」という声もあるため、結論として「インプラントと天然歯の感覚の違いには個人差がある」と言えます。

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